8月VAP入試の面接を控えているお母様へ
VAPの相談面接では、どうしても「うちの子はこんなに優しいです」「こんなに頑張れます」「こんな素敵なところがあります」という、お子さんの「光」の部分を探したくなります。もちろん、それも大切です。でも、親子関係が本当に見えるのは、案外こういうちょっと格好の悪いエピソードだったりします。子どもは失敗します。黙ってしまうこともあります。ごまかしたくなることもあります。そのときに親がどうするか。ここで登場するのが――カチカチ山のうさぎです。傷口に塩を塗り、さらに味噌まで塗る。いや、もう十分痛いから!!(笑)子どもが失敗したときも同じです。「なんでそんなことしたの!」「だからいつも言ってるでしょう!」「あなたは本当に……!」と、塩を塗って、味噌まで塗って、最後に火までつける必要はありません。でも、「それって、どうだったかな?」と、ハッと気づかせることは必要です。責めすぎない。でも、なかったことにもしない。そして、「失敗したことを話したら、さらに傷つけられる」ではなく、「失敗したことでも、ちゃんと話せる」と思える家庭であること。これは、とても大切なことだと思います。「お嬢様をどのように育てて来ましたか?」この質問に、完璧な子育ての答えなんていりません。むしろ、失敗したとき、親子でどう向き合ってきたか。そして、言いにくいことまで話せる関係をどう作ってきたか。そこに、そのご家庭の子育てが一番よく表れるのではないでしょうか。ですから、面接を控えているお母様方。「何か立派なエピソードを探さなくちゃ!」と焦らなくて大丈夫です。お子さんが失敗した日のこと。泣いた日のこと。叱った日のこと。言いにくいことを勇気を出して話してくれた日のこと。そして、そのあと親子でどんな話をしたのか。そんな何気ない日常の中に、面接で伝えられる「わが家の教育」があります。光だけでなく、ちょっとした影も話せる。そして、その影に塩と味噌を塗らず、一緒に光の方へ戻ってきた。そんなエピソードがあれば、ぜひ大切にしてください。面接は「立派な親選手権」ではありません。いつもの親子で大丈夫。どうか胸を張って、行ってきてください。そしてくれぐれも――カチカチ山のうさぎだけは、面接会場に連れて行かないように(笑)。