事実から、心に残ったことを見つけよう
前回のブログでは、エントリーシートを書くために、まずは「思い出シート」を書いてみましょう、というお話をしました。
でも、いざ書こうとすると、こんな声が聞こえてきます。
「何を書けばいいのかわかりません」
「特別な思い出なんてありません」
「昔のことなんて覚えていません」
うんうん、わかります。
でもね、ちょっと待ってください。
思い出というのは、必ずしも大きな出来事や、特別な経験でなくてもいいのです。
今日は、私自身の思い出をひとつお話しします。
■ しまじろうの劇で、やらかしました!
娘が小さかった頃、私はよく、ベネッセのしまじろうの劇を見に連れて行きました。
子どもが喜ぶ顔を見るのは、親にとってもうれしいものです。
ところが、ある日、私は大失態を犯しました。
なんと、劇の日にちを間違えたのです!
会場に入り、席に座っていました。
しばらくすると、ある方から声をかけられました。
「ここ、私の席ですよ」
……え?
チケットを確認すると、なんと、劇の日付は昨日!
もう終わっているはずの日のチケットを握りしめ、堂々と座っていたわけです。
ああ、やってしまった……。
気づいた私は、帰ろうとしました。
すると、会場のスタッフの方が、別の席を用意してくださったのです。
おかげで、娘と一緒に劇を見ることができました。
さて。
ここで問題です。
私は、その劇の内容を今でも覚えているでしょうか?
答えは、いいえ。
劇の内容は、すっかり忘れてしまいました。
でも、今でも覚えていることがあります。
それは、会場のスタッフの方の優しさです。
日付を間違えたのは、私の失敗です。
それなのに、困っていた私たちに、さりげなく手を差し伸べてくださった。
そのときのありがたさや、うれしかった気持ちは、何年たっても心に残っています。
■ 事実は同じ。でも、心に残るものは違う。
この出来事を整理してみましょう。
【事実】
しまじろうの劇の日付を間違え、前日のチケットで会場に行ってしまった。
【そのときの出来事】
自分の間違いに気づき、帰ろうとしたところ、スタッフの方が別の席を用意してくださった。
【心に残ったこと】
スタッフの方の優しさ。
【そのときに感じたこと】
困っていたので、とてもありがたかった。
知らない人の優しさが、こんなにうれしいものなのだと感じた。
このように、ひとつの出来事から、いろいろなことを思い出すことができます。
大切なのは、出来事を立派に見せることではありません。
その出来事を通して、自分が何を感じたのか。何が心に残ったのか。
そこに目を向けてみることです。
■ 聖霊VAPのエントリーシートにもつながります
聖霊VAPのエントリーシートを書くときも、考え方は同じです。
例えば、学校の文化祭に行ったとします。
「文化祭に行きました」
これだけでは、単なる事実の報告です。
でも、そこから少し掘り下げてみましょう。
「文化祭で、先輩たちのダンスを見ました」
「先輩たちが、自分たちで振り付けや照明を考えていることを知りました」
「自分たちで考え、協力してひとつのものを作り上げる姿がすてきだと思いました」
「私も、そんな仲間と一緒に学校生活を送りたいと思いました」
どうでしょう?
同じ「文化祭に行った」という事実でも、そこから感じたことを言葉にすると、志望理由につながっていきます。
ただし、ここで大切なのは、最初から志望理由を書こうとしないこと。
まずは、自分が見たこと、聞いたこと、感じたことを思い出す。
そして、その中から心に残ったことを見つける。
順番は、それからです。
■ だから、まずは思い出シートを書いてみましょう
思い出シートを書くときは、上手な文章にしようとしなくても大丈夫です。
箇条書きでも、短い言葉でも構いません。
例えば、こんなふうに書いてみてください。
・どこで、何があった?
・そのとき、誰がいた?
・何が印象に残っている?
・うれしかった? 悔しかった? びっくりした?
・今でも覚えているのは、どうしてだろう?
すぐに答えが出なくても大丈夫。
思い出したことを、ひとつずつ書き留めておきましょう。
寝る前にふと思い出すこともあるでしょう。
家族との会話の中で、思い出すこともあるでしょう。
そんなときは、忘れないうちにメモしておいてください。
そして、いくつかの思い出が集まったら、改めて眺めてみましょう。
自分では何でもないと思っていた出来事が、実は自分らしさを表していることもあります。
優しさに心を動かされる子。
仲間と協力することに喜びを感じる子。
できなかったことができるようになって、うれしかった子。
失敗した経験から、何かを学んだ子。
そこには、一人ひとり違った思いや、その子らしさが表れています。
エントリーシートは、立派なことを書くためのものではありません。自分がどんなことを感じ、何を大切にしているのかを、自分の言葉で伝えるためのものです。
さあ、まずは思い出シートから。
あなたの心に残っている出来事を、ひとつ探してみませんか?

